パソコン・DAW・オーディオインターフェースは、DTMに便利な3つの機材です。
この3つの機材の中で初心者にとって特に難しいのが、「オーディオインターフェース」でしょう。
そもそも、オーディオインターフェースが何なのか、意味が分からないと言う方もいるかも知れませんね。
今回は、オーディオインターフェースが何か、おすすめはどれか、どのくらいの価格で買ったら良いのか紹介します。
これからオーディオインターフェースを選ぶ参考にしてくださいね。
もくじ
オーディオインターフェイスについて
オーディオインターフェースでできることは、主に以下のようなことです。
・楽器やマイクの音をパソコンに送る
・パソコンからスピーカーに音を送る
パソコンを楽器やマイク、スピーカーなどと繋いで、音を入力・出力することができるものです。
さらに、オーディオインターフェースには、次のような表記の仕方があります。
・オーディオ I/F
・オーディオ I/O(インプット/アウトプット)
・A I/O
・A I/F
ここ最近は色々な形のものが存在していて、ミキサーと一緒になったもの、ケーブルになっていてiPhoneと一緒に使えるものもあります。
ソフトウェア「ドライバ(オーディオドライバ)」があれば、パソコンでオーディオインターフェースを使用することが可能です。
インストールの方法は説明書に記載されているので、参考にしてください。
但し、元々OSにドライバがあって、問題なくオーディオインターフェースが使えるものもあります。
注意するべきオーディオインターフェイスを選びについて
初心者でも安心して使えるオーディオインターフェイスには、一体どのようなものがあるのでしょうか。
ここで、自分に合ったオーディオインターフェイスを選択することができれば、今後の音楽制作がだいぶ変わってきますよ。
良いオーディオインターフェースを選ぶためにも、以下のことに注意しながらじっくり検討しましょう。
・5つの重要な仕様をよく確認する
・ミキサー一体型やケーブル型は選ばない
・1万円以下のものは選ばない
・メーカーをよくチェックして選ぶ
・新しい製品もチェックしてみる
これらのポイントについて、順番に説明しましょう。
確認すべき5つの重要な仕様!
どんなオーディオインターフェースを選択するのか、迷った時は次の5つの使用をチェックしてみてください。
(1)パソコンとの接続方法
オーディオインターフェイスは以下の方法で、パソコンに接続することができます。
・USB 2.0
・USB Type-C
・Firewire接続
・Thunderbolt接続
他にも色々な接続方法があるので、変換プラグと合わせてパソコンに繋げられるかどうかをチェックしましょう。
(2)量子化ビット数/サンプリングレート
量子化ビット数/サンプリングレートは、最低でも24bit/96kHz以上に対応しているものがおすすめです。
大抵のオーディオインターフェースは問題ないでしょうが、安物だと対応していない場合もあるのでご注意ください。
(3)入出力数
ある程度の価格で購入すれば、入出力数はまず問題ないでしょう。
但し、安いオーディオインターフェースは外れも多いので、念のため確認してから購入してくださいね。
また、入力に関しても、以下の入力の数を確認しておきましょう。
・XLRキャノンケーブル(マイクに多い)
・TRSフォンケーブル(ギターなど臭い)
・TS
実は、キャノンケーブルでもフォンケーブルでも、入力できるタイプの端子もありますよ。
ヘッドホン出力の有無も、一緒に確認しておきましょう。
(4)MIDI入出力(MIDIインターフェイスとしての機能)
MIDI入出力はオーディオインターフェースに、どうしても必要なものです。
オーディオインターフェースがMIDI入出力があると、
・パソコンのMIDI情報をシンセサイザー(外部MIDI対応)に送信できる
・パソコンの音源をシンセサイザー(外部MIDI対応)で弾ける
などのようなことができるんです。
最近はUSBでパソコンとMIDIキーボードなどを、接続できるようになっていることが多いですよね。
但し、シンセサイザーのように、MIDIインターフェイスが必要な場合もあるんです。
オーディオインターフェースにMIDIインターフェイスがあれば、使い道が広がりますよね。
(5)Hi-Zスイッチ/+48V ファンタム電源
Hi-Zスイッチとファンタム電源が必要になる時と言えば、
・Hi-Zスイッチ:オーディオインターフェイスに楽器(エレキギター・エレキベースなど)を直接繋げる時
・ファンタム電源:機材(コンデンサーマイクなど)を使用するのにファンタム電源が要る時
などがあります。
Hi-Zスイッチとは?このタイプのスイッチは、ギターやベースなどハイインピーダンスのものを繋ぐ時に使います。
「インピーダンス」と言うのはホースの太さで、信号の流れる量のようなものです。
・ハイインピーダンス:太いホース
・ローインピーダンス:細いホース
ローインピーダンスを使ってハイインピーダンスを受けようとすると、信号が部分的に外部に出てしまいます。
Hi-ZスイッチがないとDI(ダイレクトボックス)を使って、インピーダンスを下げる必要があります。
DIを使わなくても良い状態にするなら、Hi-Zスイッチがあるオーディオインターフェースを選ぶのがおすすめです。
ファンタム電源(+48Vなど)とは?
ファンタム電源は「幽霊電源」とも言うのですが、電源を供給する部分が存在しないんです。
正確には電源が無い訳ではなく、キャノンケーブルXLRを通して電源を供給しています。
もちろん、別の機器を使えばファンタム電源が供給できるのですが、オーディオインターフェースにあるのがおすすめです。
おすすめしないケーブル状やミキサーと一体化
ケーブル状やミキサー一体型のオーディオインターフェースは、iPhoneでの録音、ライブ配信、持ち運びなどでは便利です。
但し、そうでない場合は録音以外のものが付いて、納得の行く品質が期待できません。
自宅で音楽を製作しようと思ったら、ケーブル状やミキサー一体型は避けた方が良いでしょう。
1万円以下はおすすめしない理由
真剣に音楽制作をしたいと考えているなら、オーディオインターフェースは安さ重視で選ぶべきではありません。
安いものには品質的に満足できないものが多く、高いものとは音そのものや音質も違います。
ヘッドホンとかスピーカーを選ぶ時くらい、納得の行くものを慎重に選ぶことをおすすめします。
過去に5万円台のオーディオインターフェースを、楽器屋さんから勧められた経験があります。
初めての購入だったので、価格的には良いと思いました。
但し、友人の持っていた10万円台のものを見た時、音質の素晴らしさに驚きました。
自分の持っている5万円台のものとは、全然音質の完成度が違うんです。
オーディオインターフェースによって音質が違うことは分かっていたのですが、そこまで音質が違うとは非常に驚きました。
DAWの音が出力されると思うと、オーディオインターフェースの質にはとことんこだわりたくなりますよ。
どんなものを選んだら良いのか、なかなか決められない方は、安物で即決せず品質をしっかりチェックしてくださいね。
※質の高いお手頃なオーディオインターフェース、以前よりはだいぶ増えてきています。
オーディオインターフェースにかける予算が限られている方は、私のおすすめ品をぜひチェックしてみてください。
選ぶべきおすすめメーカーは?
オーディオインターフェースを選ぶ時って、つい価格ばかりを気にしてしまいませんか。
でも、ある程度はメーカーに関する知識を得て、少しでもハイクオリティのメーカーを選択することをおすすめします。
オーディオインターフェースは楽器と同じように考えてしまいそうですが、両者でメーカーの評価は全然違いますよ。
これは初めてオーディオインターフェースを選ぶ際に、見落としがちなポイントです。
せっかく買い物するからには、納得の行くメーカーのものを購入してくださいね。
新しい製品はおすすめ
オーディオインターフェースも他の機器と同じように、どんどん新しい製品が登場しています。
古い製品か新しい製品かと聞かれたら、新しい製品の方が高品質のものが多くておすすめですね。
中古製品では古い製品も見かけるのですが、新しい製品と比較して性能が劣ることが多いです。
同じメーカーでオーディオインターフェース選びに迷った時は、少しでも新しい方を選ぶと良いですよ。
おすすめの3メーカー
オーディオインターフェース選びのポイントを、5つ説明してきました。
ポイントがある程度頭に入ったところで、今度はオーディオインターフェースをメーカー別に紹介しましょう。
私が性能的に自信を持っておすすめできるのが、以下の3つのメーカーです。
・Universal Audio
・RME
・Antelope Audio
この3つのメーカーのオーディオインターフェースについて、順番に説明しましょう。
Universal Audio
Universal Audioはオーディオインターフェースだけでなく、プラグインの品質も良くプロも高く評価するほどです。
サンダーボルト接続・USB-C接続が可能なApollo Soloは、2020年8月に発売されたUniversal Audioの製品です。
6万円と比較的お手頃で、オプションでプラグインエフェクトも使えるようになっています。
インターフェイスがUniversal Audio以外のメーカーだと、プラスでDSPやインターフェイスなどのハード機材を用意しないと、UADのプラグインエフェクトが使えません。
レコーディングスタジオで使われるほど、UADのプラグインエフェクトは高評価なんです。
追加でプラグインエフェクトが購入できるなら、値段の割に使い勝手がいい方です。
注意
DSP(SHARCプロセッサー)は1基、2基(DUO)、4基(QUAD)、6基(HEXA)、8基(OCTO)など、オーディオインターフェースによって搭載されているものが違ってきます。DSP使用量もプラグインによって変わってくるので、事前に確認しておきましょう。
Universal Audioのオーディオインターフェイスを使うアーティスト
RME
オーディオインターフェースを初めて購入する方だと、RMEは初めて耳にするメーカーかも知れませんね。
実は、RMEの製品は高品質で、オーディオインターフェースを知っている人には結構人気があるんですよ。
10万円以上する高価な製品が多いですが、品質的には自信を持っておすすめできます。
RMEのオーディオインターフェイスを使うアーティスト
Antelope Audio
Antelope Audioの製品はシカのマークが付いていて、レコーディングスタジオによく行く方なら見たことのある方が多いのではないでしょうか。
オーディオクロックの品質は、プロから愛されるほどのレベルです。
Antelope Audioもオプションで、プラグインエフェクトを購入して使用することができます。
最低でも10万円はする高価な製品ですが、品質には間違いありません。
口コミ・評判を紹介!
おすすめの3メーカーの口コミ・評判をチェックしてみたところ、もっとも高評価なのがAntelope Audioです。
値段的にUniversal Audioを選ぶ方もいるかも知れませんが、Antelope AudioやRMEの方が評価が高いです。
なぜ3メーカーで評価が違うのか、それは恐らくクロック部分の評価なのでしょう。
オーディオインターフェースがUniversal Audioなら、クロックジェネレーターもUniversal Audioと考えてしまいそうですよね。
でも、クロックジェネレーターをAntelope Audioなど、他のメーカーで揃えている方も多いですよ。
安くてコスパの良いオーディオインターフェイス
品質重視でオーディオインターフェースを選ぶなら、先に紹介した製品をおすすめしたいです。
とは言っても、初めてオーディオインターフェースを購入する方だと、値段的に抵抗のある方が多いのではないでしょうか。
こんな方のために、もっとお手頃に買えるオーディオインターフェースをおすすめします。
MOTU M2 / M4
MOTUと言えば以前は高価な製品がメインでしたが、お手頃なオーディオインターフェースもありますよ。
・M2(ライン入力2つ):税込23,980円
・M4(ライン入力4つ):税込30,580円
比較的新しい製品でありながら安価で、ESS SABRE32 DAC搭載なんです。
10倍以上の値段はするオーディオインターフェースで、普通に使われているESS SABRE32 DACが搭載されているのは魅力的ですよね。
MOTUの利用者は最近では少なくなっていますが、安さ重視で購入するならMOTUのお手頃品はおすすめですよ。
また、初めてオーディオインターフェースを使うのに、MOTU、AbletonのDAWやサンプルが豊富に揃っている点も便利です。
Steinberg「UR-RT2」「UR22C」
SteinbergはDAWのCubaseの開発メーカーで、税込38,280円で買えるUR-RT2も人気製品です。
UR-RT2付属のCubase簡易版で、あとはパソコンだけで簡単に音楽制作ができます。
Rupert Neve Designsのトランスフォーマー搭載も、値段を考慮すると嬉しいですよね。
ちなみに、Neveでビンテージの機材を揃えようと思うと、ビックリするくらい高い値段です。
Steinbergに搭載されているRupert Neve Designsのトランスフォーマーなら、お手頃に音質を変えることができます。
税込38,280円でも高いと感じる方は、URシリーズのUR22Cを選択してみても良いでしょう。
32bit、USB Type-Cに対応していて、お手頃でオーディオインターフェース初心者に優しい製品です。
SSL 2 / SSL 2+
レコーディング映像を見ていると、よくミキサー卓が写りますよね。
こんなミキサー卓には「SSLコンソール」と言う種類があって、それなりの値段が付いていることが多いんですよね。
でも、実はSSL 2が税込28,600円、SSL 2+が35,475円と、驚くほどお手頃価格で買えます。
・SSL 2:入力が2つ、アウトプットが2つ
・SSL 2+:入力が2つ、アウトプットが4つ
どちらの製品もDAW(Pro ToolsやAbletonなど)、Loopcloudのサンプル、SSLのプラグインが付いています。
作曲家の和田貴史さんの動画では、RMEのBabyface Proと比較している様子が見られます。
さすがに高価なRMEのBabyface Proには、なかなか敵わないでしょうね。
近日発売予定のオーディオインターフェイス
オーディオインターフェイスは新しく発売されるものが、どんどん登場してきますよね。
今回は、近日発売予定の製品の中でも、特におすすめ品を挙げてみました。
APOGEE「Symphony Desktop」
APOGEEのI/O、Symphonyのデスクトップ版で、本格的に音楽制作したい方向けの1299USDです。
値段はとにかく高いのですが、クオリティも確かなものでしょう。
まとめ
今回は、オーディオインターフェース初心者に向けて、おすすめ製品をいくつかピックアップしてみました。
音楽制作を本格的にしたい場合は、オーディオインターフェースの質にはとことんこだわることをおすすめします。
特に値段を気にせずに購入するなら、
・Universal Audio
・RME
・Antelope Audio
などが評価が高くておすすめです。
安さ重視で選択したい場合は、
・MOTUのM2、M4
・SteinbergのUR-RT2
・UR22C
が良いでしょう。
オーディオインターフェースの質で、音質がだいぶ変わってきます。
満足度の高い音楽制作をするためにも、オーディオインターフェースは質に十分にこだわって選ぶことをおすすめします。