マイニング需要やパーツ不足により、数世代前のグラフィックボード需要が高くなってきました。GeForceの90番台もそのひとつです。
中でもGTX960は2015年に発売されたグラフィックボードです。7年前に発売された3世代ほど前のグラフィックボードですが、果たして現世代に比べると性能的にまだ使用できる範囲なのでしょうか?
この記事では、現行世代のGTX1650とGTX960の性能を比較します。はたして中古でもまだまだ購入する価値はあるのでしょうか?購入の参考にしてみてください。
GeForce GTX960の基本性能から見える現在のスペック
まずはGeForce GTX960の基本性能と後継機のGeForce GTX1650を比較してみます。およそ4年の差がある両機でどれくらいのスペックの差が出るのでしょうか?
GeForce GTX960の基本性能
GeForce GTX960の基本性能は以下のとおりです。同じ90番台のハイエンド版であるGTX970とも比較してみます。
GTX960 | GTX970 | |
プロセス | 28nm | 28nm |
トランジスタ数 | 29億 | 52億 |
ダイサイズ | 227m㎡ | 398 mm² |
CUDAコア数 | 1024基 | 1664基 |
ベースクロック | 1127MHz | 1050 MHz |
ブーストクロック | 1178MHz | 1178MHz |
GPUメモリ | 4GB GDDR5 | 4GB GDDR5 |
メモリクロック | 1753 MHz(7 Gbps) | 1753 MHz(7 Gbps) |
メモリバス | 128 bit | 256 bit |
バンド幅 | 112.2 GB/s | 224.4 GB/s |
TDP | 120W | 148W |
元々GTX90番台のミドルクラスに位置するスペックとして発売されたのですが、970と比べて安価でそれほどパワーも劣らなかったため、当時は人気のグラフィックボードでした。
得意とするゲームジャンル
発売当時から高解像度のゲームについてはCPUのスペックに頼る形でした。ただ、大人数を描画する高画質のオンラインゲームについては画質を落とす必要があります。しかし、フルHDのゲームに関してはほとんどのゲームがプレイできました。
そのため、当時は幅広いモデルに搭載されました。現在でも中古市場で多く出回っているのは、それだけ人気が高かったということです。
後継機に比べると…
ではGTX960と次世代のエントリークラスであるGTX1650を比べるとどれくらいのスペック差があるのでしょうか?基本性能を比較してみましょう。
GTX960 | GTX1650 | |
プロセス | 28nm | 12nm2 |
トランジスタ数 | 29億 | 47億 |
ダイサイズ | 227m㎡ | 200m㎡ |
CUDAコア数 | 1024基 | 896基 |
ベースクロック | 1127MHz | 1485MHz |
ブーストクロック | 1178MHz | 1665MHz |
GPUメモリ | 4GB GDDR5 | 4GB GDDR5 |
TDP | 120W | 75W |
性能を見ると一目瞭然です。エントリークラスなのでGTX1650は現行でもかなり安価なので、GTX960とGTX1650どちらを新品で買うか、となるとどうしてもGTX1650に分配が上がりそうです。
【参考:NVIDIA「GEFORCE® GTX 900 シリーズ グラフィックス カード」】
新品で買う価値は?GeForce GTX960現環境の性能
GTX960の基本性能を確認したところで、2022年現在の環境では通用するのでしょうか?
最新のゲームや負荷の大きいゲームは不得手
オンラインゲームの動作環境を見ると、ほとんどのゲームでGTX960は必要動作環境を満たしていますが推奨とまではいかないようです。
必要動作環境以上、推奨以下となると高画質モードでのプレイはできませんし、フレームレートも落ちます。そのため、ほぼフルHDでのプレイとなるでしょう。
当然、最新の高画質高負荷なゲームはプレイが難しくなります。
画質設定次第で対応できるゲームは幅広い
ただし、フルHDで画質を標準以下に落とせばプレイ可能なゲームは幅広くあります。
FPSの対戦ゲームでも60fpsを出せるゲームもありますし、スペックとしてはPlayStation4と同じくらいだと考えると納得の行くスペックです。
1年~2年先は厳しいかも
現在の最新のゲームでプレイが難しいとなると、1年~2年先の環境では少し厳しいです。もちろん、今プレイできるゲームで十分と考えるのであればまだまだ良いですが、今使っているのであれば買い替え時ではあります。
購入するのであればその場しのぎか、現世代のグラフィックボードが落ち着いてくるまでの繋ぎとして考えたほうが無難です。
中古のGeForce GTX960を買うのはおすすめ?
GeForce GTX960をメインに買うのはあまりおすすめできません。現行では最新のゲームではプレイが難しいからです。では中古のGeForce GTX960はどうなのでしょうか?
価格自体はかなりお手頃に
現在では一世代上のGTX1050 Tiが中古市場に流れてくるようになってきました。そのため、GTX960はもっと価格がお手頃になってきています。
しかし、価格差が1000円差以内で上位機種があるならそちらを選んだほうが無難です。なぜなら、GTX960はスペック的に1年~2年以内に必要動作環境を割る可能性があるからです。
中古のGTX960のおすすめ用途は?
GTX960は比較的安価ですが、現状では必要動作環境を割りそうなラインであることは確かです。でも特にスペックを気にしないゲームや、数年前のゲームを主にプレイするのであればあまり気にしなくてもいいかもしれません。
自作のゲーミングPCをかなり安価で組みたい人や、急場しのぎでゲーミングPCがほしい人にはおすすめできるグラフィックボードといえます。
買うならいくらがベスト?
GTX960を中古で買うのであれば、4000円~6000円台がベストです。何故かというと、現在の中古市場ではGTX960より1ランク上になるGTX1050 Tiが既に出回っているからです。
中古のグラフィックボードに1万円前後出せるのであれば上のランクのものを買ったほうが良いですが、予算4000円~6000円台であればGTX960がベストです。
まとめ
GeForce GTX960は、7年前のグラフィックボードです。数世代前のグラフィックボードが今もまだ通用するのは驚きですが、おそらく1年~2年ほどで最低動作環境ラインになるでしょう。
性能的にはほとんどのフルHDゲームで利用できますが、タイトルによっては画質を下げてプレイしなければいけません。当然高負荷のゲームはプレイできないでしょう。
既に後継機も安くなり始めているので、GTX960を買うならその場しのぎのゲーミングPC、または低予算の自作PCに中古のものを使用する、という目的が良さそうです。