マイナー・スケール(短調)は暗い音が特徴です。(メジャー・スケール(長調)は明るい音が特徴です)ここでは、代表的なマイナー・スケールを3つご紹介します。
マイナースケールについて
ナチュラル・マイナー・スケール
ナチュラル・マイナー・スケールは、Cメジャー・スケールと同じ構成音で構成されています。また、長さも平行関係にあると言えます。
Harmonic Minor Scale(ハーモニック・マイナー・スケール
Harmonic Minor Scale(ハーモニック・マイナー・スケール)は、ドミナント・コード(V7)にNatural Minor Scaleにはない派生音を加えたスケールです。
つまり、和声進行の改善を目的としたマイナー・スケールである。
メロディック・マイナー・スケール
メロディック・マイナー・スケールは、ハーモニック・マイナー・スケールの延長線上にある2度の音程(マイナー6thとメジャー7th)を取り除くことで、メロディを滑らかにするために作られたスケールです。
クラシック音楽では、メロディックマイナースケールの下降形は自然短音階を使用しなければならないというルールがあります。クラシック音楽では、メロディックマイナースケールの下降形は自然短音階でなければならないという決まりがありますが、ジャズやポップスなどのジャンルではそうではありません。
マイナースケール一覧
- Cマイナースケール C(ド)D(レ)E♭(ミ♭)F(ファ)G(ソ)A♭(ラ♭)B♭(シ♭)
- 2 C#マイナースケール C#(ド#)D#(レ#)E(ミ)F#(ファ#)G#(ソ#)A(ラ)B(シ)
- Dマイナースケール D(レ)E(ミ)F(ファ)G(ソ)A(ラ)B♭(シ♭)C(ド)
- E♭マイナースケール E♭(ミ♭)F(ファ)G♭(ソ♭)A♭(ラ♭)B♭(シ♭)C♭(ド♭)D♭(レ♭)
- Eマイナースケール E(ミ)F#(ファ#)G(ソ)A(ラ)B(シ)C(ド)D(レ)
- Fマイナースケール F(ファ)G(ソ)A♭(ラ♭)B♭(シ♭)C(ド)D♭(レ♭)E♭(ミ♭)
- F#マイナースケール F#(ファ#)G#(ソ#)A(ラ)B(シ)C#(ド#)D(レ)E(ミ)
- Gマイナースケール G(ソ)A(ラ)B♭(シ♭)C(ド)D(レ)E♭(ミ♭)F(ファ)
- G#マイナースケール G#(ソ#)A#(ラ#)B(シ)C#(ド#)D#(レ#)E(ミ)F#(ファ#)
- Aマイナースケール A(ラ)B(シ)C(ド)D(レ)E(ミ)F(ファ)G(ソ)
- B♭マイナースケール B♭(シ♭)C(ド)D♭(レ♭)E♭(ミ♭)F(ファ)G♭(ソ♭)A♭(ラ♭)
- Bマイナースケール B(シ)C#(ド#)D(レ)E(ミ)F#(ファ#)G(ソ)A(ラ)
覚え方
マイナー・スケールを学ぶときは、メジャー・スケールを出発点にするとよいでしょう。
平行調で覚える
まず覚えておきたいのは、メジャー・スケールとマイナー・スケールは平行調で存在しているということです。
平行調の法則とは、次のようなものです。
平行調の法則」とは次のようなものです。” マイナー・スケールは、メジャー・スケールと同じ調号を持ち、マイナー・サードから順にメジャー・トーンが配置されています。
この例では、Gメジャースケールは、その3度下にあるEマイナースケールと平行しています。
すべての長音階を知っていて、すべての短音階の調号が同じであることを覚えていれば、次のことができます。
調号と音の並びを知りたい自然な短音階を決定する。
例として、Fの自然なマイナー・スケールの調号を知りたいとします。
FのマイナーサードはAbです。
Abメジャー・スケールは、調号に♭が4つあるスケールです。
Fマイナー・スケールは、調号の中にフラットが4つあるスケールです。
Fマイナー・スケールの調号の数がわかれば、第1音を半音上げたハーモニック・マイナー・スケールや、第1音と第2音の両方を半音上げたメロディック・マイナー・スケールをすぐに導き出すことができます。
同主短調で覚える
もうひとつの覚え方は、同じ長音階と短音階を使うことです。
同じ長短音階とは、主音が長音階と同じである短音階のことです。
ここでは例として、Cメジャースケールの主音と同じ主音を持つマイナーをCマイナースケールとしています。
以下はその例です。AメジャースケールのAマイナーはAマイナー
この同じメジャーマイナーを使うためには、メジャースケールとマイナースケールの違いを知っておく必要があります。
上段がCメジャー・スケール。
下の段がCナチュラルマイナースケールです。
主音が同じであるメジャー・スケールとナチュラル・マイナー・スケールを並べると、何が違うのかがよくわかります。
主音が同じであるナチュラル・マイナー・スケールは、メジャー・スケールと比較して以下のような違いがあります。
第3音、第6音、第7音が半音低くなっています。
この違いは非常に重要ですので、必ず覚えておいてください。
では、他の主音を見てみましょう。
分かりやすくするために、調号を付けずに表示しています。
ご覧のように、Gナチュラルマイナースケールでは、iii、vi、viiの音は半音低くなっています。
(viiの音は、メジャースケールではシャープになっていますが、ナチュラルマイナースケールではシャープになっていないので、半音低いと判断できます。
繰り返しになりますが、同じ長音階・短音階の中でも自然短音階を覚えて求めるには、次のことを覚えておいてください。
長音階に比べて主音が同じである自然短音階では
iii、vi、viiの音は半音下になります。
この同じ主短調を使ったマイナー・スケールの探し方をご紹介します。
調号と音の並びを知りたいナチュラル・マイナー・スケールを決定します。
例えば、Eの自然短音階の調号を知りたいとします。
Eメジャー・スケールを書き出します。
Eメジャー・スケールのiiird、vith、viithの音を半音下げます。
調号がわかれば、平行音階と同じように、第2音を半音上げたハーモニック・マイナー・スケールや、第2音と第3音の両方を半音上げたメロディック・マイナー・スケールをすぐに導き出すことができます。
まとめ
マイナー・スケールは、メジャー・スケールと対をなす、音楽に欠かせない音階です。
マイナー・スケールには、ナチュラル・スケール、ハーモニック・スケール、メロディック・スケールの3種類がありますが、それぞれに役割があり、変化してできていることを理解すれば、実はそれほど複雑ではありません。
メジャー・スケールを暗記したら、パラレル・スケールやイコール・マイナー・スケールを使ってマイナー・スケールを探します。
もちろん、音程の並びを暗記することもできますが、音階の関係を理解するためには、知識として上記2つの音階を暗記することをお勧めします。