カウンターメロディ(対旋律)について
カウンタメロディ。メロディー・パート(主旋律)を補完するために同時に演奏される別の声部のこと。オブリガートとほぼ同じですが、複数の独立した声部を指すこともあります。
ポップスを聴いていると、ボーカルが歌うメロディとは別に、独立したメロディ楽器の音が聞こえてくることがあります。
これが対旋律です。
裏メロ」や「副メロ」とも呼ばれます。
例えば、菅田将暉の「まちがいさがし」のサビでは、ボーカルに語りかけるような弦楽器のフレーズ(と一部のピアノ)があります。
曲をゴージャスにアレンジするには、コードを伸ばして演奏する方法もありますが、この曲ではコードではなくフレーズを演奏することで、曲全体にゴージャスな効果をもたらしています。
これはボーカル曲ではありませんが、別の例を挙げるとわかりやすいかもしれません…。
この曲では、ピアノが主旋律、バイオリン系が対旋律になっています。
この曲では、ピアノが主旋律で、バイオリン系が対旋律になっています。特にサビの部分では、主旋律と対旋律が交互に演奏され、少ない楽器数にもかかわらず、壮大で華やかなサウンドを生み出しています。
このように、対位法の導入は、旋律だけでは埋められない音の隙間を少なくすることで、曲全体をより華やかにする効果があります。
例えば、今回の曲では、20秒から57秒まで(「節」)は民族楽器のフルートが主旋律を奏で、ピアノが対位法を奏で、1分17秒以降(「落ち」)は打楽器的なシンセサイザーが主旋律を奏で、フルートが対位法を奏でています。
オブリガートとは?
省略できない一体化した声部のこと。
旋律部分を引き立てるために、同時に(伴奏にかぶせて)演奏される独立した旋律のこと。補助旋律、対旋律とも呼ばれる。
対位法「対旋律」と「ハモリ」の違い
作り方について
対旋律を作るときに注意しなければならないことが1つだけあります。それは
主旋律よりも目立たせないこと。
メロディは、曲のメインの部分です。
メロディは曲の主役であり、対旋律はメロディを引き立てるための脇役に過ぎません。
脇役のメロディが主旋律よりも目立ってしまうと、リスナーはどのメロディが主旋律なのか混乱してしまい、場合によっては対旋律がメロディだと思ってしまうかもしれません。
また、せっかくメッセージ性のあるキャッチーなメロディを作っても、カウンターメロディが目立ちすぎると、効果が薄れてしまいます。
押すべきものと引くべきものを分けて考えたほうがよいでしょう。
主人公よりも目立ってしまわないようにしましょう。
具体的には
音量が大きすぎないか?
音程の動きが大きすぎないか?
フレーズが細かすぎないか?
つまり、声が大きくなりすぎないように、音が大きくなりすぎないように、そして細かくなりすぎないようにするのです。
コツ
旋律と対旋律の間に対照的なリズムを取り入れると、隙間を埋めることができ、華やかな響きになります。
具体的には、メロディが伸びているときは対メロディは細かく刻んだフレーズにし、メロディが細かく刻んでいるときは対メロディを伸ばすようにします。
フルートのトラック(メロディ)とピアノのトラック(カウンターメロディ)がオーバーラップして表示されます。フルートが上に、ピアノが下に)。
詩は4小節単位でループしていますが、大まかに言うと、1~3小節目はフルートが伸びてピアノが刻み、4小節目はピアノが伸びてフルートが刻みます。
旋律と対旋律が同じフレーズを刻む部分もありますが、基本的には別々に刻むことを意識しました。
これは、そのパートの雰囲気を作り、奥行きを持たせるためです。
メロディはシンセサイザーのトラック、カウンターメロディはフルートのトラックを重ねました。フルートが上に、シンセサイザーが下に)。
ドロップでは、シンセサイザーが細かいフレーズを刻み、フルートがシンセサイザーとのバランスを取りながら伸びやかなフレーズを作ります。
フルートはドロップの9小節目から登場しますが、後半は最初の8小節が繰り返されますので、聴き手が飽きないように対旋律を加えています。
音程のコツ
旋律と対旋律は、対位法で表現すると華やかに聞こえます。
具体的には、旋律が上がれば対旋律が下がり、旋律が下がれば対旋律が上がります。
同音異義語(同じ音を何度も繰り返すこと)を広義の反進行と考えると、この詩は上の画像のようになります。
旋律と対旋律のフレーズが平行しているところもありますが、対旋律のフレーズは反進行を意識して作りました。
この手法は、クラシック音楽の対位法の考え方がベースになっていますが、ポピュラー音楽でも強力なツールとして使うことができます。
何百年も前に現代に伝わったクラシック音楽の延長線上にポピュラー音楽があるわけですから、ポピュラー音楽においても強力なツールとして使うことができます。